未開封の白いシャツワンピース。
突然の夏日にみまわれ、紫外線に弱く、二の腕を出したく無い私は気分転換をかねて、羽織れるシャツワンピースを買うことにした。
通販サイトをはしごして、はしごして、サイズや色、素材をわくわくしながら選んで、オーソドックスな白いシャツワンピースに決めた。届くのが楽しみだった。
3日後、服が届いた。まだわくわくしていた。
手にとってみると、もちろん注文した通りの白いシャツワンピースがビニール袋に入っていた。
でも、ふと、我に返った。
私はこれを着てどこに行くというのだろう。
先々の予定といえば、通院、通院、通院、そして入院、手術。
病院に行く予定しかない。体調に不安があるから、友人を誘うこともできない。
選んでいた時のわくわく感はなんだったんだろう。
モデルさんが楽しそうに着ている写真を見て、それに自分を重ねてしまったのだ。
あんなふうに、裾を翻して笑って出かける予定なんてないのに。
シャツワンピースは、届いた状態のビニール袋に入ったまま、まだ椅子の上に放置してある。
まだしばらく涼しい日が続きそうなのが救いだ。